先端科学技術共創スクール 特別講義のご案内 物語りラボ ナレッジハンター 吉野 均 氏

 

 一般社団法人JAIST支援機構では、社会人の学び直しの機会を提供する場として先端科学技術共創スクールを実施しています。
 各組織においてデジタルトランスフォーメーションが進む中、プロジェクトマネジャーに求められる能力も大きく変化しています。そのような状況の中、富士通株式会社にて37年間にわたるプロジェクトマネジメントの経験を持つ物語りラボの吉野 均氏にデジタル変革(DX)時代におけるプロジェクトマネジャーに必要な能力とその身につけ方についてご講義いただきます。

 受講料はお一人様11,000円(税込)です。現場を支える多くのみなさまの受講をお待ちしています。詳細は以下をご覧ください。

【日 時】2022年3月17日(木) 13:00 〜 17:00
【場 所】オンライン(ZOOM)※ZOOM会議室は前日までにご連絡(メール)します。
【対象者】プロフェッショナルを目指す若手エンジニア、プロジェクトリーダ、プロジェクトマネジャー
【講 師】物語りラボ ナレッジハンター 吉野 均 氏
【受講料】お一人様 11,000円(税込)
【最低催行人員】5名 
※申込者が最低催行人員に満たない場合は中止となります。その場合、入金された受講料は返金します。
【主催】一般社団法人JAIST支援機構
【後援】一般社団法人石川県情報システム工業会
【講義概要】

 DX時代のプロジェクトマネジャー(PM)は、高度な課題を解決するPM力が求められ、『失敗しないだけのプロマネ』は『課題解決型プロマネ』に生まれ変わる必要があります。
 当セミナーでは、『課題解決型プロマネ』に求められる高度な『課題解決力』とは何かを明らかにし、高度な『課題解決力』を鍛える方法として、富士通株式会社の「ナレッジ継承活動」で確立された「ものがたり継承法」とその成果物である「DX実践記」と「PM四択問題」をご紹介します。

【お申し込み】
 こちらの申し込みフォーム(メタップスペイメント社)よりお申し込みください。
 ※締め切り3月15日(火)
 ※お問い合わせはこちらからお願いします。

【講義詳細】
 デジタル変革(DX)時代のプロジェクトマネジャー(プロマネ)は、経営課題や社会課題を解決するためのより高度なプロジェクトマネジメント力が求められており、『失敗しないだけのプロマネ』は『課題解決型プロマネ』に生まれ変わる必要があります。なぜ、生まれ変わる必要があるのでしょうか? 当セミナーでは、その背景を確認し、『課題解決型プロマネ』に必要な能力を明らかにした上で、その能力を身に着ける方法を講義と演習で学んで頂きます。
 当セミナーでは、まず、現代のプロマネが関与する課題解決の対象が拡大していることを踏まえ『課題解決型プロマネ』を定義し、そのパーパス(使命)を明らかにします。次に、敗戦からの復興という『混乱の時代』に社会課題や経営課題の解決を果たしたプロジェクト(PJ)を取り上げ、『課題解決型プロマネ』のロールモデルを紹介します。
 今再びコロナ禍に代表される『混乱の時代』にあり、社会課題や経営課題を解決するためのデジタル変革(DX)プロジェクトは、試行錯誤的な課題解決の連続で、3つの修羅場が存在することを明らかにします。それを踏まえ『課題解決型プロマネ』に必要な能力とは、修羅場を乗り越える『高度な課題解決力』であり、『課題解決プロセス』を廻すために働く『課題志向性』と『課題解決力』の二つからなることを分かり易く解説いたします。
 複雑で困難なプロジェクトを成功させるためには、プロマネにかぎらず全てのプロフェッショナルは『高度な課題解決力』を持って自律し活躍する必要があります。その中で『類い希な課題解決力』を持つものが『課題解決型プロマネ』となります。

 さて、一気に『類い希な課題解決力』を持つことは無理としても、『高度な課題解決力』のレベルは、プロフェッショナルとして『混乱の時代』を行く抜くために必要な能力です。この『高度な課題解決力』を身に着けるには、どうすれば良いでしょうか? 一般に課題解決力を身に着けるには、『課題解決プロセス』を何度も繰り返し経験することが有効とされています。しかし、『高度な課題解決力』を実践の場で身に着けるには大きなリスクを伴います。そこでお薦めするのが『ものがたり継承法』です。
 『ものがたり継承法』は、難易度が高いPJ事例を『ものがたり』にして、その『ものがたり』を疑似体験させることで、修羅場を乗り越える『高度な課題解決力』を次世代に継承させる方法です。富士通株式会社での『ナレッジ継承活動』における実践で効果が検証されています。この方法であれば、大きなリスクを犯さずに『高度な課題解決力』を身に着けることができます。
 この『ものがたり継承法』の成果物の一例として、あるAI適用PJの実践を描いた『DX実践記』をご紹介します。ここでは、主人公らが発揮した『課題志向性』、この場合は「変革への強いマインド」と、『課題解決力』、同じく「AI適用にあたって障壁となった技術的な課題の解決力」を疑似体験して頂きます。

 最後に、簡単にできる『ものがたり継承法』の導入方法をご紹介し、その一例として、『PM四択問題』の作成方法を演習も交え学んで頂きます。『PM四択問題』は、PMの決断の場面を提示し、選択肢4つから正解を選ばせるもので、プロジェクト現場で発見された、課題解決のちょっとした知恵を互いに学び合うためにも役立ちます。ぜひ、この『PM四択問題』を皆さんの現場で作成し、学び学ばせる意識で楽しみながら、『課題解決力』を互いに高め合う活動からスタートして下さい。

【テキスト目次】※変更する場合がございますので予めご承知下さい
1.プロジェクトマネジャーに必要な課題解決力
 1.1 『課題解決型プロマネ』の定義とそのパーパス
      ★ミニ演習:『課題解決型プロマネ』とは?
 1.2 戦後復興における『課題解決型プロマネ』
      ★ミニ演習:『課題解決型プロマネ』は誰か?
 1.3 デジタル変革PJにおける3つの修羅場
      ★演習1:ご自身の修羅場経験は?
 1.4 修羅場を乗り越える『高度な課題解決力』とは
      ★ミニ演習:嵐に遭遇した船長を『疑似体験』
 1.5 デジタル変革PJに参加するプロフェッショナル
      ★ミニ演習:誰が『課題解決型プロマネ』になれるのか?

2.『高度な課題解決力』を身に着ける方法
 2.1 『課題解決力』を高める『ものがたり継承法』
      ★ミニ演習:『課題解決力』を高めるには?
 2.2 『ものがたり疑似体験』が成功した先行事例
 2.3 『ものがたり継承法』の成果・概説
 2.4 『DX実践記』を疑似体験 変革マインドと実践力を学ぶ 
      ★演習2:当『DX実践記』から得られた気づきは?

3.簡単にできる『ものがたり継承法』の実践方法
 3.1 小さく生んで大きく育てる3フェーズでの導入方法
 3.2 実践における課題『学び学ばせる』マインド作り
 3.3 現場の課題解決の知恵を学び合う『PM四択問題』
      ★ミニ演習:『PM四択問題』の疑似体験  
      ★演習3:『PM四択問題』演習が有効となる条件は?
 3.4 『ものがたり継承法』の実践で向上できる四つの能力

4.おわりに
 4.1 振り返りとまとめ
 4.2 『課題解決型プロマネ』を目指す皆さまへのエール

【 講師略歴 】吉野 均
 1977年3月東京工業大学卒業。同年4月富士通株式会社に入社。現役時代37年間は、主に金融機関様などのお客様向けプロジェクトを、担当者・リーダー・管理者・責任者の立場から経験。現場で起こる様々な課題解決を通し、プロジェクトマネジメント(PM)力を身に付けた。2014年6月嘱託再雇用後の5年半は、現場力・実践力といったナレッジ継承活動に取組み、その活動を通してユニークなPMノウハウ継承法である『ものがたり継承法』を確立した。退職直後の2020年1月より、在職時の43年間の経験を活かして『ものがたり継承法』の講師とナレッジハンター業を開始し、現在に至る。
 ・2018年8月 PM学会「文献賞」受賞:「ものがたり」を使ってPMナレッジを継承
 ・2018年12月 PM学会誌に論文掲載:『ものがたり』を介したPM実践知の継承法
 ・2020年8月 社会情報大学院大学 実務家教員養成課程 修了
 ・2020年11月 PM学会秋季大会論文発表:疑似体験が経験を補完できる条件に関する考察
 ・2021年11月 PM学会秋季大会論文発表:未成熟な『PM基本知識』と機能しない『経験で継承』への処方箋