JAIST産学官共創フォーラムでは、その時々の旬なテーマをもとに先端科学技術情報を定期講演会として年3回お届けします。
第1回目の定期講演会では、「サイレントボイスセンシング技術の最新研究と社会実装の最前線」をテーマに、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 副学長(研究戦略担当) ・サイレントボイスセンシング国際研究拠点長・卓越教授の水田 博氏による基調講演に始まり、太陽誘電株式会社音羽電気工業株式会社から関連する最新の応用事例をご紹介します。

JAIST産学官共創フォーラム会員のみなさまだけではなく、一般のみなさまもご聴講(有料)いただけますので、関心のある多くのみなさまの参加をお待ちしています。


 

JAIST産学官共創フォーラム定期講演会(第1回)
日時:2021年10月7日(木)15:00 〜 17:00
場所:オンライン(ZOOM)※新型コロナウイルスによる感染拡大防止の観点からオンラインのみの開催とさせていただきます。
費用:一般:1000円(税込) フォーラム会員:無料
主催:一般社団法人JAIST支援機構・産学官共創フォーラム
後援:国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学

一般のみなさま:お申し込みはこちらから(1名1,000円 税込)※終了しました

JAIST産学官共創フォーラム会員のみなさま:お申し込みはこちらから(無料)※終了しました


【テーマ】サイレントボイスセンシング技術の最新研究と社会実装の最前線

 私たちの体(ヒト)やモノ、自然は、多くの微弱な信号(ガス、振動、音、光、化学物質、生体物質)を発しています。これらの信号を「声なき声(サイレントボイス)」として検出することは、例えば病気の予防や早期発見、精神的ストレスのモニタリング、物質の劣化や変化、自然現象の予測を可能にします。

 今回の講演会では、サイレントボイスを聴き取るセンシング技術の最新研究の紹介と社会実装への取り組みについて紹介します。


【プログラム概要】

■基調講演

「原子層材料グラフェンを用いた『サイレントボイス』センシング技術の基礎と応用」

炭素原子が蜂の巣のように六角形状に結びついた原子1個分の厚さの超薄膜【グラフェン】は、その優れた電気的特性に加えて、シリコンの10倍以上のヤング率や、格子定数の約20%の変形に耐える耐性など、ユニークな機械的特性を有しています。さらに、その高い表面積対体積比率から、さまざまな超高感度センサ素子への応用が期待されています。

本講演では、グラフェンを用いた最近の新機能デバイス技術の基礎と応用を概説します。とくに、これまでの固体センサでは検出することが困難であったヒト・モノ・自然からの微小信号~サイレントボイス(声なき声)~を読み取るセンシング技術について、超低濃度皮膚ガスを検知して疾病の早期発見を狙うグラフェンガスセンサと、落雷予知を目的とした微小電界センサ研究の最前線を紹介します。

《講演者》
国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 副学長(研究戦略担当)・サイレントボイスセンシング国際研究拠点長・卓越教授 水田 博 氏

■講演1

「においセンサ開発の最前線」

五感の中でも嗅覚を代替するセンサは最も開発が遅れていましたが、最近になって嗅覚の代替となりうるにおいセンサの開発が活発になってきています。

当社でもにおいの検知による危険予知やメディカル用途への適用を想定してにおいセンサの開発を行っています。そこで、においセンサに求められる性能や活用事例、社会実装に向けた課題などの紹介を行います。

《講演者》
太陽誘電株式会社 開発研究所機能デバイス開発部 課長 服部 将志 氏

■講演2

「襲雷予測技術開発の最前線」

雷被害から人命や生産活動を守るためには、避難と活動再開の意思決定をサポートする的確な情報が重要です。現在の大半の雷警報システムは、雷放電発生後のデータを基にした予測であるため、雷放電の発生していない状況で雷に対する危険度を示すことは難しいことが考えられます。

これに対し大気中の静電界強度を観測することにより、雷放電の発生有無に関わらず、その場の雷に対する危険度を可視化することは原理上可能です。

そこで北陸先端科学技術大学院大学水田研究室と当社は共同で、グラフェンを用いた超高感度電界センサによる雷雲の静電界観測に関する研究を実施しています。本講演では、雷被害の実態や襲雷予測のためのグラフェン電界センサの開発について紹介します。

《講演者》
音羽電機工業株式会社 技術本部基盤研究グループ 部長 工藤 剛史 氏


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