JAIST産学官共創フォーラムでは、その時々の旬なテーマをもとに先端科学技術情報をお届けする定期講演会を行っています。

令和6年度2回目の定期講演会は、『もっと知りたい! 「量子コンピューティング」の世界』 ~コンピュータ、通信から未来を考える~ をテーマに北陸先端科学技術大学院大学 准教授 高木 翼氏と慶應義塾大学 特任准教授 永山 翔太氏(株式会社メルカリ シニアリサーチャー)にご講演いただきます。 
JAIST産学官共創フォーラム会員のみなさまだけではなく、一般のみなさまも参加(オンライン参加無料、会場参加有料)いただけますので、関心のある多くのみなさまの参加をお待ちしています。

JAIST産学官共創フォーラム・令和6年度 第2回定期講演会

日 時:2024年10月31日(木)16:00 〜 18:00 ※18:00より交流会
場 所:
北陸先端科学技術大学院大学 金沢駅前オフィス(ポルテ金沢 9階)
    およびオンライン(ZOOM)
    ※交流会は、Microsoft Base Kanazawa(ポルテ金沢 地下1階)にて行います。
     交流会ではオードブルとお飲み物(アルコール含む)を準備しております。
定 員:会場(30名)、オンライン(50名)
費 用:オンライン参加 無料
    会場参加
    ・JAIST産学官共創フォーラム会員:無料 ※1
    ・一般の会場参加:2,000円(交流会参加費含む)
    ※1会員の交流会費:法人会員の方は無料、それ以外の会員の方は1,000円
    ※ 当日会場にて現金でお支払いください。
    ※ 会場参加、オンライン参加ともに事前申し込みが必要です。

申込み:こちらの申し込みフォームよりお申し込みください。
    申込期限:2024年10月24日(木)
    JAIST産学官共創フォーラム会員の方 
    一般の方(会員以外)        


1.開催概要 
量子力学の性質を利用した「量子コンピューティング」が注目されています。
量子テクノロジを活用することで、スーパーコンピュータなどの古典的なテクノロジでは解決までに数千年かかる可能性のある課題を、わずか数分で完了できることが期待されています。
未来社会創造のカギを握る「量子コンピューティング」の最先端研究を、初心者にもわかりやすく解説しながら、コンピュータや通信から未来の世界のあり方について考えます。

2.講演テーマ
『もっと知りたい!「量子コンピューティング」の世界』 
  ~ コンピュータ、通信から未来を考える ~

3.
講演
題目1:
量子コンピューティングの現状と高信頼量子プログラムの実現に向けて
講演者:北陸先端科学技術大学院大学
先端科学技術研究科
    准教授 髙木 翼 氏
概 要:
量子通信はその量子的な特性から盗聴の痕跡が残るため、盗聴に対して耐性のあるセキュアな通信方法である。その具体的な実装として、これまでに様々な分散量子プロトコル(複数のプロセスが古典通信と量子通信を組み合わせたネットワークを介して情報をやり取りしながら全体として量子計算を進めるプロトコル)が提案されてきた。この種のプロトコルは、二つの異なる非決定性(測定の非決定性と並行計算の非決定性)のせいで正しさの検証が困難である。
本講演では、量子コンピュータの基礎や研究開発の現状に触れたあと、既存の様々な分散量子プロトコルを紹介したうえで、形式検証という手法によってそれらの正しさを数学的に証明することで信頼性を担保する最近の講演者の研究について紹介する。
経 歴:
専門は理論計算機科学。
日本学術振興会特別研究員(DC1およびPD)として数理論理学を用いた量子計算の形式検証に関する基礎理論の研究に従事したのちに2024年4月より北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)准教授。

題目2:
量子インターネットへの道:ネットワーク化による量子コンピュータの進化
講演者:慶應義塾大学 政策・メディア研究科
    特任准教授 永山 翔太 氏(株式会社メルカリ シニアリサーチャー)
    JSTムーンショット型研究開発事業目標6
     「スケーラブルで強靭な統合的量子通信システム」プロジェクト マネージャー
    量子インターネットタスクフォース(QITF) 代表
概 要:
量子コンピュータの発展はめざましく、量子エラー訂正の実証も進むなど、本格的なコンピュータシステムに至るまでのマイルストーンが着々と達成されつつあります。加えて量子ビットを集積化する技術が実現すれば、急速なスケールアップがもたらされ、AIやインターネットと並ぶ、もしくは、それ以上のインパクトを発揮することになるでしょう。
量子情報技術においても、「ネットワーク化」の有用性が期待されています。
本講演では、量子インターネットや分散型量子コンピュータを始めとする量子コンピュータの分散化に関する最新の研究動向や今後の展望をご紹介します。
経 歴:
専門は量子インターネット。特に、量子エラー訂正符号および量子インターネットアーキテクチャ・通信プロトコル。
現在、量子インターネットタスクフォースファウンダー兼ボードメンバー兼代表、
JST ムーンショット型研究開発事業目標6「スケーラブルで強靭な統合的量子通信システム」PM、情報処理学会量子ソフトウェア研究会幹事を兼任。
2017年に博士(政策・メディア)を取得。博士号取得後、エトヴェシュ・ロラーンド大学ニューラル情報処理グループ客員研究員で機械学習に取り組んだのち、2018年4月より株式会社メルカリシニアリサーチャー。2022年6月より、慶應義塾大学政策・メディア研究科特任准教授を兼務。現職中に内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター研究・産学官連携戦略ワーキンググループ委員、2018年度未踏ターゲット事業(ゲート式量子コンピュータ部門)「分散量子計算プラットフォーム」プロジェクト。

催:一般社団法人JAIST支援機構
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